令和5年6月3日(土)「令和5年度愛媛県技術士会総会」をえひめ共済会館において開催いたしました。

先月、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置づけられたこともあり集合形式で開催し45名がご参加されました。皆様、お忙しい中ご参加頂きありがとうございました。

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開会に先立って、昨年ご逝去されました周防会員と石山会員への黙祷が行わました。

その後、増田会長の挨拶により開会され、総会では「令和4年度事業報告」「令和5年度事業計画」が報告・審議され承認されました。また、吉良監事より監査報告がありました。

【議 事】
第1号議案:令和4年度事業報告
第2号議案:令和4年度会計報告及び監査報告
第3号議案:役員選任
第4号議案:令和5年度事業計画(案)
第5号議案:令和5年度予算(案)

今年は役員改選の年ではありませんが、増田会長の申し出により会長職を岩佐副会長と交代する報告がありました。

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事務局からは、文部科学省の実施する「DX等成長分野を中心とした就職・転職支援のためのリカレント教育推進事業」および「技術士の知名度アップ」と「子供たちに将来技術士を目指してもらう」ための活動として、愛媛県専修学校各種学校連合会が主催する「お仕事フェスタ2023」への参加報告がありました。
「お仕事フェスタ」は引き続き日本技術士会四国本部と協力して参加する予定です。

以上、すべての議案について可決され、新入会者紹介の後、約1時間程度で無事閉会いたしました。

引き続き、公益社団法人日本技術士会との共催行事である「CPDセミナー」「公開講座」「防災講演会」が開催され、62名がご参加されました。

【プログラム】
6月3日(土)14:00~17:30

【開会挨拶】
公益社団法人日本技術士会四国本部事業委員 増田 信

【公開講座】
演題:「四国CX研究会の取り組みについて」
講師:京都大学大学院工学研究科 教授 安原 英明 氏

【CPDセミナー】
演題:「伊予の湯泉と久米官衙群」
講師:(公財)愛媛県埋蔵文化財センター 理事長 前園 実知雄 氏

【防災講演会】
演題:「大規模災害からの復興-平成30年7月豪雨の現在-」
講師:日本技術士会四国本部防災委員会 副委員長 木村 一成 氏

【技術士第二次試験合格者の紹介】

【開催行事の概要】

開催に先立ち、(公社)日本技術士会四国本部 増田幹事より開会の挨拶を頂きました。
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1.公開講座
「四国CX研究会の取り組みについて」
京都大学大学院工学研究科 教授 安原 英明 氏
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安原氏からは「四国CX研究会の取り組み」についてご講演をいただきました。
公演に先立って、近年の少子高齢化の急加速による若手技術者・研究者の不足や技術継承の問題に警鐘を鳴らされました。
これらを背景に、目の前にある課題に対して土木に携わる産官学が集結し「新技術やDXを積極的に導入して社会実装できる技術・仕組みを開発すること」を目的に、令和4年に「四国CX研究会」が設立されたとのことです。
初年度の研究会テーマとして「LPWA分科会」「衛星・点群分科会」「オープンイノベーション分科会」「若手分科会」のご紹介があり、その中のLPWAを用いた技術開発について、詳しくご説明がありました。
LPWAは次世代IoT向けモバイルネットワークシステムとして大きな注目を集めており、高速性が求められないデータ通信においては長距離通信・低消費電力が実現できる通信規格であるとのご説明がありました。
現在これを利用した計測管理自動化(斜面災害監視システム等)を開発しており、従来技術より安価かつ省人化が実現可能になるとのお話でした。
今後の研究テーマとしては、計測データを一括管理できる「プラットフォームの一元化」が課題とのことです。

2.CPDセミナー
「伊予の湯泉と久米官衙群」
(公財)愛媛県埋蔵文化財センター 理事長 前園 実知雄 氏
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前園氏からは「伊予の湯泉と久米官衙群」についてご講演いただきました。
道後温泉は、伊予国風土記や複数の書物から天皇が度々来浴されており、湯ノ岡碑文(碑自体は発見されていない)より聖徳太子が訪れた特別な温泉であるとのお話しを頂きました。
当時の入浴スタイルについてもイラストを交えてご説明がありました。
また、道後温泉南東に位置する久米官衙遺跡群についてご講演を頂き、遺跡は古代の役所と寺院の跡であり、斉明天皇が百済遠征途中に兵集めるために滞在した地でもあるとのことでした。
さらに、道後平野の寺の遺跡から法隆寺式の瓦が出土していることより、法隆寺との関係も深いとのお話でした。
この伊予の地が、古代より大和朝廷とのつながりの深い土地柄であったことを知り、古代ロマンに想いを馳せるご講演内容でした。

3.防災講演会
「大規模災害からの復興-平成30年7月豪雨の現在-」
日本技術士会四国本部防災委員会 副委員長 木村 一成 氏
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木村氏からは、四国本部防災委員会が各県で実施している「防災支援活動」についてご紹介がありました。
講演では甚大な災害をもたらしたH30年7月の西日本豪雨について、当日の気象概要と県内の被害状況、および南予地域における土砂災害の発生要因について専門家の視点から詳しいご説明がありました。
復興状況についても、豪雨災害発生時と数年後の復興写真を交えてご説明がありました。
また、災害後の防災支援について、愛媛県の復旧・復興計画を例に「人を守る」「生活を守る」「産業を守る」を3大柱とした、短期的~中期的~長期的な復興タイムラインと設定指標、およびその実践状況についてご説明がありました。
大規模災害発生時には、その被害状況にだけ目を向けるきらいがありますが、今後の防災活動は長期的な災害復興にまで視野を広げた活動が必要であり、技術士(会)としても何か貢献できる余地があるのではないかとの投げかけがありました。

5.祝賀会・懇親会

講演会の後は「技術士第二次試験合格者祝賀会・懇親会」が開催されました。
愛媛県技術士会 岩佐新会長による開会の挨拶・乾杯の音頭により懇親会が始まりました。
講師の安原先生、前園先生にもご参加いただき、終始大変盛り上がりました。

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技術士第二次試験合格者の紹介
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難関の第二次試験、合格おめでとうございます。

あっという間に歓談の時間が過ぎてゆき、最後は日本技術士会四国本部 吉村 幹事の中締めにより懇親会も無事終了することができました。

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来年もまた、皆様の多数のご参加をお待ちしております。