令和5年11月25日(土)四国本部「第90回CPDセミナー・公開講座・防災講演会」「愛媛県技術士会忘年会」をえひめ共済会館で開催いたしました。
会場28名およびWeb聴講6名がご参加されました。皆様、お忙しい中ご参加頂きありがとうございました。
———- 会次第 ———-
【開会】13:30 ~ 13:40
開会挨拶 愛媛県技術士会会長 岩佐 隆 氏
【公開講座】13:40 ~ 14:40
演 題:「別府湾海底に堆積するマイクロプラスチック量-75年間の変遷-」
講 師:愛媛大学大学院理工学研究科教授 日向 博文 氏
【CPDセミナー】14:45 ~ 15:45
演 題:「愛媛県の移住促進の現状と取り組み」
講 師:一般社団法人 えひめ暮らしネットワーク代表理事 板垣 義男 氏
【防災講演会】16:00 ~ 17:00
演 題:「大規模災害から学ぶ~企業と家庭の防災・避難用品~」
講 師:株式会社 岩本商会 代表取締役社長 仙波 誉子 氏
【懇親会】17:45 ~ 19:45
———- 開催行事の概要 ———-
(岩佐会長の開会挨拶)
岩佐会長の開会あいさつの後、CTB-ehime「えひめ建設技術防災連携研究会」のご紹介がありました。
(CPDセミナー)
演 題:「別府湾海底に堆積するマイクロプラスチック量-75年間の変遷-」
講 師:愛媛大学大学院理工学研究科教授 日向 博文 氏
日向教授からは、現在注目されている海洋マイクロプラスチックによる環境問題に対してその計測方法と得られたデータに関する研究について講演を頂きました。
過去のデータを推定する手法は気象分野では多くありますが、過去のマイクロプラスチックの量の推定については有効な測定方法が無いとのことでした。
ご講演では、別府湾を研究対象とした「湾内の海流状況解析」や「ボーリング採取土壌内のマイクロプラスチック数とコアの年代測定との対比」から得られたデータを踏まえて、その推定手法について詳しくご説明して頂きました。
また、海水より比重の小さいマイクロプラスチックがバイオフィルムが付くことにより沈降するメカニズムなどについてもご説明がありました。
その中でも海底に堆積するマイクロプラスチック量が、20年周期で増減を繰り返しながら徐々に増加している測定結果について、黒潮の影響により栄養塩が多い時期におけるクロロフィルAの発生量が重要な働きをしているのではないかとのお話でした。
マイクロプラスチックは、海洋を漂流し沿岸域に堆積することにより生態系にも大きな影響が発生します。マイクロプラスチック海洋汚染の将来予測のためにも、今後適切な数値モデルの作成が重要であるとのお話でした。
(公開講座)
演 題:「愛媛県の移住促進の現状と取り組み」
講 師:一般社団法人 えひめ暮らしネットワーク代表理事 板垣 義男 氏
板垣氏からは愛媛県の移住定住促進の状況について講演を頂きました。板垣氏ご本人も2011年の東日本震災をきっかけに神奈川県から松山市へ移住されており、2016年から「えひめ移住コンシェルジュ」として県の移住促進事業に携わってこられ、2020年に(一社)えひめ暮らしネットワークを設立されたとのことです。
R4年には、愛媛県への移住者は7000人を超え、近年愛媛県への移住関心が非常に高いとのご説明がありました。また、内訳としては東京・大阪等の大都市からの移住が多く30代が半数を超えるとのことです。
これは、2016年に愛媛県が「(1)積極的な情報発信(Webや相談イベント)」「(2)切れ目のない相談体制」「(3)就業の促進」「(4)住まいの確保」「(5)確実な定着支援」の5本柱を中心にした移住・定住に向けた取り組みを展開た時期と一致しているとのお話でした。
その中でも(3)就業の促進、(4)住まいの確保についての相談が一番多く、住まいについては、空き家リフォーム等の補助制度があるとのお話でした。
現在えひめ暮らしネットワークでは、「愛媛で自分らしく暮らし働く」をコンセプトに、愛媛県および県の外郭団体と協力して移住の促進を図ると共に、各地域で活躍する「地域おこし協力隊」と共に、移住者の悩み事を聞くなどの移住サポートを行っているとのことです。
(防災講演会)
演 題:「大規模災害から学ぶ~企業と家庭の防災・避難用品~」
講 師:株式会社 岩本商会 代表取締役社長 仙波 誉子 氏
仙波氏の講演では、先ず今までに発生した大規模災害についてご説明があり、自然災害の発生を止めることは出来ないが、被害を軽減する減災については準備可能であることについてお話がありました。
その中で、国や自治体に限らず、個人や企業も事前の備えによって減災に取り組むことが必要であるとのことです。
今後、防災・減災については、今までの万が一のために備えるという発想から、より日常的なものになり自然と防災意識が高まるようにデザインするフェーズフリーの考え方が高まって行くとのお話でした。
自治体のフェーズフリーの取り組み例として今治市を例に、ごみ焼却場が日常時はスポーツ施設として使われ、非常時は避難所や備蓄基地としてデザインされているとの紹介がありました。
講演の後半は、実際の防災・避難用品を会場に持ってきていただき、実際に操作しながら詳しい説明を受けました。聴講者からも防災・避難用品を実際に手に取り活発な質問がありました。
その後、恒例の忘年会が開催されました
愛媛県技術士会 増田副会長の開会あいさつの後、乾杯の音頭により懇親会が始まりました。
最後は愛媛県技術士会 吉村幹事の中締めにより懇親会も無事終了することができました。(皆様お疲れ様でした)
来年もまた、皆様の多数のご参加をお待ちしております。