令和元年12月7日(土)「四国本部第67回CPDセミナー・公開講座」および「愛媛県技術士会忘年会」をえひめ共済会館にて開催いたしました。

セミナー・忘年会共に40余名のご参加を得て大いに賑わいました。
皆様、お忙しい中お越しいただきありがとうございました。

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(1)開会挨拶
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日本技術士会四国本部 須賀副本部長の開会挨拶

(2)講演会の様子

1.CPDセミナー

「全天X線観測で探る激変するブラックホール」
講師:愛媛大学 理工学研究科 宇宙進化研究センター
志達 めぐみ氏

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CPDセミナーは、愛媛大学理工学研究科 宇宙進化研究センター 志達 めぐみ氏よりブラックホールの観測についてご講演を頂きました。
ブラックホールは星の最後の姿であり、太陽の20倍以上の質量を持つ恒星が最後の大爆発を起こした後に造られる天体だそうです。
ブラックホールは自己の非常に強い重力で時空が歪められ、光の速度でも脱出できない、すなわち見ることができない天体とのことですが、間接的にブラックホールを探し出す「全天X線監視装置MAXI」について説明を頂きました。
ブラックホールと連星を成す恒星から、ブラックホールへ落ちてゆくガスが高温になり発生するX線の変化(短期間で1万倍以上明るくなることがある)を全天画像から24時間観測することにより探し出すとのことです。
MAXIのX線検出原理と新星発見後の研究者への速報体制、また今後ブラックホールから噴き出すジェットのメカニズムや終着円盤の解明に向けて開発中である「X線分光撮像衛星XRISM」計画についても説明を頂きました。
XRISM計画については、愛媛大学からも3人の教官が参加しており、観測機器の冷却装置は県内の企業で開発が行われているとのことです。
将来的に、このような悪環境での観測技術やデバイスの小型化技術が実社会にもフィードバックされてゆくのだと思います。

2.公開講座(1)

「えひめの遺跡探訪」
講師:松山市立埋蔵文化財センター所長・松山市考古館館長
梅木 謙一氏

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公開講座(1)は、松山市立埋蔵文化財センター所長・松山市考古館館長 梅木 謙一氏よりご講演を頂きました。
TV番組でもおなじみの「ブラタモリ」や「世界ふしぎ発見」にもご出演されており、古代衣装のコスプレで番組裏のエピソードも交えて非常に分かり易くご紹介いただきました。
特に「世界ふしぎ発見」で紹介のあった松山市の「葉佐池古墳」は未盗掘のまま発見され、国指定史跡になっているとのことです。
中でも驚いたのが、人骨にハエのさなぎ殻が付着していて、そのハエの習性から死後かなりの間外の場所に安置されていたことが分かり、古代の儀礼「殯=もがり」が実際に行われていたことを考古学的に証明する貴重な資料となったとのことです。
この「もがり」は現代の「お通夜」に通ずるとのことでした。
また、松山にも前方後円墳が15カ所くらいあるとのことです。
皆様も休日はぜひ講座でご紹介いただいた下記古墳や松山市考古館へ足を運んでみて下さい。
(宇摩向山古墳、正光寺山古墳、八堂山遺跡、妙見山古墳、葉佐池古墳、大下田古墳、穴神洞窟遺跡、笠置峠古墳)

3.公開講座(2)

「性的マイノリティ(LGBT)と人権」
講師:西条人権擁護委員協議会 人権擁護委員 神野 隆義氏

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公開講座(2)は、西条人権擁護委員協議会人権擁護委員 神野 隆義氏よりご講演を頂きました。
私たちのまわりには、L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシャル)、T(トランスジェンダー)と呼ばれる、性的指向が同性や両性を対象とする人や、体の性と自己の性意識が一致しない人など、さまざまな人たちがいることについて講義を頂きました。
こうした人たちは、性別に関して世の中の多くの人たちと異なる特徴をもつことから「性的少数者」(性的マイノリティ)と呼ばれています
また、電通の調査によると約10人に一人はLGBTを自認しているとのお話もありました。
病気とかおかしなことではないにもかかわらず、日本では未だに偏見や敬遠する風土があり「LGBT」であることで社会で苦しんでいる人が多く存在しているとのことです。
法務省では「LGBT」についても明確に人権問題として取り上げられており、一人一人が正しい理解と認識を持つことが必要だとのお話でした。
講座では法務省人権擁護機関や(公財)人権教育啓発センターのパンフレットも配布いただきました。これを機会に「LGBT」や人権について正しい理解を深め、多様性を認め合う社会を実現して行く必要があると思います。

講演会の後は、恒例の忘年会が開催されました。
愛媛県技術士会 増田会長のあいさつに始まり、四国本部 仙波事業副委員長の乾杯の音頭により忘年会が始まりました。

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令和になって初の忘年会は大変盛り上がりました。
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最後は、吉村副会長の一丁締めにより、忘年会も無事終了することができました。
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引き続き、来年も皆様のご協力のほどよろしくお願いいたします。