令和2年11月27日(金)「四国本部第70回CPDセミナー・公開講座」をえひめ共済会館にて開催いたしました。

新型コロナウイルスが心配の中、予定通り開催でき48名のご参加を頂きました。
皆様、お忙しい中お越しいただきありがとうございました。

技術士会ではセミナーの開催について以下の対策を行いました。
1)基本的に小規模人数での開催とし、席の間隔はできるだけあけて受講できる体制にしました。
2)入り口にアルコール消毒液を設置しました。
3)受講者の体温計測を実施しました。
4)予防対策としてマスクの着用をお願いしました。
5)講演会中は常時窓を開け換気を行いました。

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(1)開会挨拶

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日本技術士会四国本部 冨士事業委員長と須賀副本部長の開会挨拶

(2)講演会の様子

1.公開講座

「鉄の誕生と伝搬~西アジアから東アジアへ~」
講師:愛媛大学アジア古代産業考古学研究センター教授 文学博士
村上 恭通氏

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村上教授からは、NHKスペシャル「アイアンロード~知られざる古代文明の道~」で放送された内容である「鉄の誕生と伝搬」についてご説明をしていただきました。
人類が初めて鉄を生産する技術を獲得したのは今のトルコ(ヒッタイト人)であり、その後西アジアから中央アジア、北アジアを経て、東アジアに伝わる鉄の技術や歴史を調査写真を交えて詳しくご説明していただきました。
また、ロシアでは金属探知機の使用が禁止されていて調査が困難なことなど、調査の裏話も伺うことができました。
当時、製鉄の技術と馬を育てる技術は国の機密であり、シルクロード(貿易路)とは違うこと、後期に伝搬した日本の製鉄技術の高さについても、製鉄炉の構造の違いから来る品質の良さに等について詳しくご説明していただきました。

2.防災講演会

「平成30年7月豪雨被害と復興状況」
講師:高浜地区自主防災連合会会長
蔭原 政徳氏

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H30年西日本豪雨は南予地域が大きくクローズアップされましたが、高浜地区においても甚大な土砂災害が発生しておりました。
蔭原氏の講演は、ドローン映像を交えて非常にわかり易く「被災状況」と「現在の復興状況」をご説明していただきました。
高浜地区防災会は、平成30年7月豪雨時には地域を自主的に見まわり土砂崩れの危険がある地区の住民に避難を呼び掛けた結果、被害を最小限に食い止めることができたとのことです。
この地域を挙げての取り組みは、令和元年に「平成31年度土砂災害防止功労者表彰」として評価されております。
蔭原氏からは講演の中で技術士会への協力依頼もありました。当会には土木の専門家も多数おりますので、ワークショップ等を通してぜひ地元への社会貢献を図って行ければと思います。

3.CPDセミナー・技術者倫理セミナー

「医療技術の進歩と医師の倫理」
講師:国立病院機構 愛媛医療センター院長
岩田 猛氏

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岩田氏からは、医療従事者における「倫理」についてご説明がありました。
医師の職業倫理を考える時には、はるか昔ギリシャ時代に誓いを立てた「ヒポクラテスの誓い」が現代にも引き継がれているとのことです。
基本理念である「患者に危害・不正を加えないこと」、「自己の技術の最善をつくすこと」という医療の大原則は今も変わらないとご説明がありました。
また、臨床における倫理についても、どんなに技術が発達しても医療行為は患者と医療関係者の信頼関係があって初めて成り立つものであり、近年は「インフォームド・コンセント」を十分に行い、患者に納得していただく医療へと変化してきているとのことです。
その他、 緩和医療・生命の尊厳などの非常に難しい倫理的問題についてもお話を伺うことができました。
技術士会でも「倫理小委員会」の本格的な活動が開始されております。科学技術に関連した事故や不正が多発している今、社会の安全確保に対する技術者への要求は一層高まって来ております。
形は違えど科学技術を応用し社会に貢献する技術士として、職業倫理について考えるよい機会となりました

4.修習技術者支援セミナー

講師:四国本部修習技術者支援委員会委員
藤本 憲洋氏

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藤本委員からは技術士制度の説明および最新の試験情報について詳しい説明がありました。
ぜひ皆様の周りの方へも技術士試験受験の声掛けをお願いしたいと思います。

(技術士第二次試験合格者の紹介)

難関の第二次試験、合格おめでとうございます。(一瞬だけマスク外してもらいました)
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今年は楽しみしていた「愛媛県技術士会忘年会」は残念ながら開催できませんでしたが、来年も引き続き皆様のご協力のほどよろしくお願いいたします。